「どのくらい工数がかかる?」という質問をされた際に、何の根拠もなく、ざっくりと感覚だけで工数を見積もって失敗した経験はありませんか?

見積もりの作業で悩んでいる時に『エンジニアのための見積もり実践入門』が役立ったのでご紹介します。

『エンジニアのための見積もり実践入門』は、どんな本なのか?

この本は技術書イベントで大好評だった見積もりに関する合同誌『ワンストップ見積もり本』が商業化されたものです。

年齢や立場が異なる16人のエンジニアによる工数見積もりの経験談やノウハウについて書かれています。

「どうやって見積もったらいいの?」とコスト算出に頭を抱えているエンジニアにおすすめの本です。

本の目次

本書の目次をご紹介します。

同人誌版とアップデートした商業誌版を比較して読んでみると面白いです。Amazonで試し読みができます。

第1章 見積もりに必要なもの(要件定義)
第2章 タスク見積もり
第3章 若手エンジニアのための作業時間見積もり入門
第4章 2点見積もりとふりかえりのススメ
第5章 アジャイルと見積もり
第6章 安全マージン
第7章 いわゆる相見積とRFPを比較する
第8章 見積もり依頼の基本(小規模Projectを発注する編)
第9章 フリーランス(受注側)にとっての見積もり
第10章 守備範囲外の開発の見積もり
第11章 スクラムとチームと統計的見積り
第12章 見積もる前に作業を終わらせろ
第13章 暖かみのある見積もりをする方法
第14章 納期と信頼
第15章 同人誌を作って見積もり体験
第16章 過小見積もりで炎上するプロジェクトから得られた学びと実践
第17章 フリーランスチームリーダーとしての見積もり失敗談
第18章 工数見積もりアンチパターン
第19章 コンシューマーゲームの見積もり(いにしえの記憶より)
第20章 見積もりきれぬ所要時間
第21章 開発時情報が得られないケースにおいての後付けでの規模見積りについて
第22章 建設業界の見積もり
付録A フリーランスに必要な嗅覚
付録B 私の見積もり履歴書

お役立ちポイントを3つご紹介

その1:タスクの細分化

「テストに○人日」と作業工程ごとの見積もりを「A機能のテストに△時間」というようにタスクを分割して考えることにしました。

作業工程はできるだけ細分化することで、次にやる作業が明確になり、見積もりの精度が上がってきます。

担当者にとっても自分の進捗状況が把握できるので、モチベーションの維持・向上にもつながります。

その2:バッファの設定

過剰にバッファを積んでしまい、見積もりの数値とかけ離れてしまうという失敗をしていましたが、作業を時間単位で考えることで作業バッファを取りやすくなりました。

突発的な作業が発生してスケジュールが遅れた場合、残業などで調整してきましたが、この期間を使えば問題を解決できるようになります。

その3:2点見積もり法

最小見積もり(そのタスクが完了する最速の工数)と最大見積もり(そのタスクが確実に完了できる工数)の2点で見積もります。

実績が最小と最大のどの位置にあるかが考えやすく、次にどのような行動を取るべきかがわかります。

また、失敗しても「最大見積もりまでに終わればいいんだ!と、心に余裕が持てるので1点見積もりよりも楽になりました。

まとめ

ご紹介した「タスクの細分化」「バッファの設定」「2点見積もり法」以外にも、本書では、見積もりの基礎やアンチパターンなども書かれており、見積もりって難しい!というエンジニアなら手元に置いておきたい一冊です。